2017年09月 / 08月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫10月

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT   このページの上へ

2008'07.19 (Sat)

「ヨーグルト…ケフィア…。最早どうでもいいのです。」 第一章


【More・・・】

気温20度。湿度55%。南から吹き付ける風は風速1メートル弱。
曇りがちな天気だがこの時期の日差しは紫外線含有量が高め。
しかし通常の哺乳類が生存する事になんら支障はない。
人間にとっては活動し易い気候とも言える。
11月にこの気温。少し前ならば異常気象とでも言われただろうか。
しかし温暖化は加速する一方のこの現代では、この程度は異常とは呼ばなくなった。
大干ばつに海面上昇、温暖化ガスの増加。最も異常なのは人類の認識といったところか。

私はゆっくり本のページをめくる。
しかしながら、だからといって人類が自然破壊に対する危機感を弱めたわけではない。
最近の広告媒体では「人類の為に地球を守ろう」というキャッチコピーが流行している。
随分と直接的な文句だがさもありなん。
このまま自然破壊を進めれば異常気象や生態系のバランスは取り返しのつかないことになり、
人類が地球上で生息するのは不可能になる。地
球が壊れるのではない。人類が地球から淘汰されゆくのだ。

私はゆっくり本のページをめくる。
それにしても、科学の進歩は止まる事を知らない。
その中でも21世紀に入ってからの宇宙科学の技術は飛躍的に発展し、
月面のみならず火星の一部の地域ならば一般生活が可能になっているという。
しかしそれまでだった。
ここ数年になって宇宙科学の分野は成長が見られない。
見られないというよりもまるで進歩を拒んでいるかのようにさえ感じられる。
人類が渇望するほどに求めた宇宙がもう手の届く位置まで来ているというのに。
結局は離れられないのだ人類は、地球という揺りかごの中から。

私はゆっくり本のページをめくりながら周囲を見渡す。
週末の駅前は数多の人間が行き交うため騒々しい。
末広駅なぞは週末となると逆に静かなものだが。
先にも述べたように人類は愚かなほど自然破壊を繰り返し、尚もエゴイズムに資源を貪る。
その代償が世界の各地で日夜報じられているのに、
この辺りではせいぜい冬が短くなったくらいか。
逆に有り難がる輩もいなくはないが。
しかし因果の応報は必ず受ける。
それがこの世を司る物理法則の摂理であり質量保存、
果てはエントロピーの法則が従事されている証拠である。
人もその他の生物も細菌類の微生物も分子レベルに分解しても、
この世の万物に定められた絶対無二の法則である。
私自身、その考えに否定はしないし信じている。
しかし大体の事は公式通りに解明できるが、
ここ最近私はある解明出来ない問題に悩まされている。

遠くから一つの聞き慣れた足音が聴こえる。
ほんの少しだが片方の足だけ引きずるように聴こえる足音は、
一瞬立ち止まると急に駆け出し始めた。
加速する足音に比例するよう荒くなる息。運動不足な証拠だ。
私は読んでいた本をたたみ、真っ直ぐ前を見る。
私の懸案事項の根源が来た。



「ごめん!待たせちゃった!?」

軽く肩で息を弾ませながら私に問い掛ける彼。
とあるきっかけで一緒に突発性過醗酵エネルギー、
所謂「ケフィア」の研究に携わる事になった同級生である。
そして私が初めて恋をした男性だ。
ちなみに彼も私に恋をしているという。何たる偶然だろうか。
いや、偶然という単語を私は好まない。
実在論者を自負する私としては結果論ではなくその結論に
行き着くまでの過程を追求すべきと考えている。
だから現在私と彼の間に生じた感情は必然であると解釈したい。

もう一度私に「待った、よね?」と遠慮がちに問い返す彼。
誠実な男性だと思う。
我々が駅前で待ち合わせをした時刻は10時。
しかし現在は9時半過ぎ。指定した時刻まではまだ時間がある。
彼が遅れてきた訳では決してない。
ただ単に私が早く来すぎただけなのだが詫びの言葉は欠かさない。
彼はいつもそうだ。
曖昧な笑顔を浮かべながら私への気配りを忘れない。
そんな時、私は少し躊躇いながらも得もしれない居心地の良さを感じる。
しかし、いつも無用な謝罪をする彼に対して逆に悪い気がしてならない。
ここは一つ、彼には何も非が無いことを伝えておくべきであろう。
私なりに最も的確な言葉で伝える。

「いいえ。」

うむ、我ながら完璧である。
だが私の意を完全には汲めなかったのか彼は「はぁ。」と不明瞭な返答をする。
…まぁ、これもいつもの事だ。
そもそも完璧に私達の意思の疎通がなされているとは思わないし望みもしない。
パーフェクトを求めるのは数学者の仕事だ。
科学者は不完全な物事ほど好むに限る。
何故なら不完全は可能性とも言い換える事が出来る。


そんな事を思案しながら彼を見つめていたが、何だか様子がおかしい。
神妙な顔つきで私の体を頭のてっぺんから爪先までマジマジと観察をしている。
不躾な視線に少々ムッときたが、一通り眺めた後に彼は小さく溜め息をついた。
出た。彼の癖だ。
何か思考が行き詰まった時や落胆の表情を見せる時、
そして何故かは知らないが私と会話をしている最中に彼はよく溜め息をつく。
それもバリエーションが豊富で今のように聴覚で感知出来るか否かの小さな溜め息から
これ見よがしなオーバーリアクションな溜め息、
果てはこちらに悟らないように鼻腔内で押し殺すような溜め息など。
自分でも気付いてはいないのだろうが1日平均20回前後、
時間にして毎時間2回程度の溜め息をつく事から考慮すると、最早これは立派な癖である。
他にも料理をしている最中に独り言が多いという奇妙な癖があるが、
これも本人は自覚していないだろう。
ともかく、やたらと溜め息が多い彼だが私にとっては一つの合図に受け取られる。
何故なら彼がこのタイプの吐息をはく時には必ずその行動に至った
懸案事項を説明してくれるからだ。

「えぇと、その服装とかなんだけどさ。うちの母さんが結構気にする人で…。」

冒頭は回りくどく入るのが彼の話し方の特徴である。
私は結論に至るまでは黙って聞くようにしている。

「だからさ、その服装はちょっとなんていうか…。そう、個性的過ぎるというか。斬新だというか。」

私は下を向き自分の服装を改めて見る。
学校指定のものではないがこのジャージは着心地が良い。
それに日中は良いが最近では日が傾くと急に気温が下がるのを考慮し、
いつも実験などで身に着ける白衣を羽織ってきた。
街中を歩く事も想定して運動に適した服装をチョイスしたつもりだったが
。どのあたりが個性的なのかわからない。
彼の方に視線を戻すと困惑した表情を浮かべていたが、
急に何かひらめいたのか柏手を打ち「そうだ!」と明るく言った。

「まだ時間があるし、服でも買いに行こうか?駅ビルの中にショップが結構入っているし。
 きっと君に似合うオシャレな服があるはずだよ。」

オシャレ…。以前お母様が言った言葉を思い出す。
年頃なんだしオシャレにも気を配れ、と。
つまり着飾れという意味だというのは理解出来たが、方法までは想像が及ばなかった。
その着飾り方を教えてくれる相手もいなかったし何より研究が忙しくてそれどころではなかった。
だから今まで着手しないでいたが、良い機会かもしれない。
自分から切り出すということは少なくとも私よりも彼の方がオシャレについて得手なのだろう。
基本、研究以外のことは彼に全権を委ねているつもりだ。
私は小さく首を縦に振ると彼は嬉しそうに笑顔を浮かべ「じゃあ、行こうか?」と、
駅の方を指差し歩き出した。
私は手持ちの鞄に本をしまい彼の後に続く。
そして彼が差し出す手を握り締めた。
先日、彼から教わった事だ。恋人同士は一緒に歩くとき必ず手を繋ぐらしい。
その行為にどのような意味や効果があるかは分からないが、悪い気はしない。
繋いだ手から伝わる彼の体温が私の心拍数を心地良く上昇させる。


駅ビル内へ向かう際に彼が咳払いをしたので見上げると、
顔を朱色に染めながら口早にこう言った。

「そういえば初めてかもね。…君に何かプレゼントをあげるのって。」

そして更に赤い顔をして俯いてしまった。
何をそんなに恥じらっているのか分からない。
さっぱり分からないが、彼のそんな仕草を見る度に私の心の中に新たな思いが芽生えてくる。
彼を好きという思いが日に日に蓄積されている。
これが最近の私に突きつけられる懸案事項の正体だ。

「思い」とか「感情」というものはそもそも何なのだ?
情報の集合ということは分かり切っている。しかしそれだけでは解明し切れない。
私が彼に対する思いは何を対価にどこから生まれたのか?
そして次はどういった物質に変貌しようとしている?
前回同様に図書館にでも赴き小説や文学といった類を紐解けば
多少なり納得がいく答えを導き出せそうだ。
しかし、そうする事を体と精神が拒む。
本当の事を知ることに私自身が私自身の理念に背いている。
呆れてしまう話である。真理を追い求め続ける事が科学者の務め、
私を私たらしめるアイデンティティと自負していたはずなのに。
その先にある感情を知ってしまうのが恐いのだ。
故に私は日々変化する己の心と体に怯えて続けている。
時が経てばいずれ明確に答えが打ち出されるその日を。
出来うるならば、その時にはいつもと同じ様に隣にいる彼が微笑んでくれていれば…。

そんな気持ちを込めて私は彼の手を強く握り締めた。
すると彼は驚き、せっかく繋いでいた手を離してしまった。

「ごめん!ちょっと強く握り過ぎていた?それとも汗かいてたかな?ハハハ…。」
 
誠実な男性だと思う。しかし、誠実も度が過ぎれば単なる愚鈍だ。


人の群れでごった返す駅ビル構内。
普段は平日に通学で利用するだけなので週末の人の多さに驚愕を覚える。
夥しい数の人間の集合。いや、我々もその集合を形成する要素の一つなのだ。
まるで細胞のようで、そう考えると少々愉快なものだ。

彼は構内の地理を理解しているのか渋滞のない足取りで進んで行く。
だが時折右足を引き摺るように歩く時がある。

「まだ右足は痛むのですか?」

私は自分の左手の甲に当たる彼の右足を一瞥して問い掛けた。
彼は少し驚いたように目を見開き、気恥ずかしそうに微笑みながら答えた。

「いや、痛みはもうないんだけどね。なんか変な癖が付いちゃって。」

溜め息や独り言の他にも癖を作るとは器用なものだと思ったが、
この右足を引き摺る癖は皮肉にも私が与えてしまったものだ。
あれは3ヶ月前、日本エネルギー開発推進学会の論文発表会の時だった。
私と彼、伯母様の三人で発表会に挑んだが直前になり伯母様の罠にかかってしまった。
お父様からあれほど警戒するよう注意を促されていたにも関わらず
睡眠薬で眠らされるという失態を冒してしまった。
私の中の甘えが産んだ結果だったが、それでも彼は抗い
私に代わり大衆の前で論文を発表したのだった。
その際に彼は睡魔の誘いに打ち勝つためボールペンを
自分の右足に突き刺してまで発表を完遂させた。
その時の傷跡を見た時に抱いた罪悪感と後悔の念は今でも忘れられない。
皮下細胞だけではなく筋肉組織まで食い込んだ傷跡が二カ所、
多分二度目に突き刺したであろう傷跡にはボールペンの先端の破片がそのまま残っていた。
末端神経が傷つかずに済んだのがせめてもの救いか。
本来ならば何としてでも私が彼と同じ行動をすべきだったのである。
それなのに私ときたら気を失っていただけ。情けなかった。
しかし彼が医務室で目を覚まし微笑んでくれた時に私は誓った。
彼が自らの体を省みず傷を負ってまで発表してくれた研究『ケフィア』を必ず成就してみせる、と。
それにはクリアすべき課題が山積みだ。先ずは…。

「どっちにするか、決まった?」

頭一つ分背が高い彼を見上げると、
先程から赤く染まったり弛緩したりと百面相を演じていた顔がキリッと引き締まっていた。
どうやら彼も同じ事を考えていたようだ。


例の論文発表会にて我々の研究が学会側に認められた後、
早速二つの団体から共同研究のオファーがきた。
一つは「ニッサンゼネラルモーターズ」。もう一つは「環境庁」。
我が研究所へ同時に届いた二つのオファーだが内容は似て非なるものだった。

「ニッサンゼネラルモーターズ」はケフィア菌を用いた突発性過醗酵エネルギーの
デバイス解明に全面的に協力する見返りとして
超低燃費エンジンの開発に助力願いたいとの事。
突発性過醗酵エネルギーの中でも秀でて安定したエネルギー供給を
実現可能なのがケフィア菌だった。
もともと『ヨーグルト』の創始者である私のお祖父様が
最も始めに研究で用いた醗酵材料がケフィア菌だった。
以来、突発性過醗酵エネルギーを研究する科学者にとって
未知の可能性を比喩する言葉として『ケフィア』と呼称されるようになる。
勿論、我々が『ケフィア』と呼称するのもそんな理由があってだ。
お父様が心血注いで取り組んだ研究が私の浅はかな行動で最悪な結果を招いてしまった。
だから二度と同じ過ちは犯さないように、
お父様や研究に携わった人達の汚名を晴らすために、
私は今度こそ『ケフィア』を平和的に正しいエネルギーとして世の中に送り出したい。

そしてもう一つのオファー先の日本政府が管轄する「環境庁」が
協力を依頼してきたのが発電所の建設だった。
低資質にして高効率なエネルギー返還を最大の特徴とする『ケフィア』を一
番有効活用出来るのが発電所だと私は考えていた。
数十年前から化石燃料の価格高沸に伴い
日本のエネルギー資源を担ってきたのがバイオマスエタノールだった。
一時期は日本のエネルギー需要の半分を担うほどに活躍した分野だったが、
今では燃料の元になる作物が高沸し結局もとのエネルギー不足に見まわれる事になった。
環境に配慮した超低燃費カーの開発。
日本のエネルギー源を一気に賄える可能性がある発電所。
双方共に『ケフィア』の特徴を生かせるメリットを上手く見抜いている。
しかし多大なメリットには同等のリスクも伴うのが世の常だ。
私は彼の問い掛けに対する的確な答えが見つからず黙り込んでいた。
すると彼は小さな溜め息を一つ吐き出し呟いた。

「ケフィア菌のデバイスは未だに不解明。
 発電所だってもしもの事故を想定すると危険すぎるし。
 …どっちもどっちなんだよね。」

まさしく今私が抱いていた不安要素を読み取ったかのような発言だった。
思わず感心してしまった私は顔を上げると、彼は真剣な表情を崩して微笑んだ。
彼の言葉通りだ。
想像するだけでもおぞましいが『ケフィア』の特徴を最大限に利用したのは、
先の大戦で使用された兵器だった。
『ケフィア』は使い方次第では原子力エネルギーに匹敵する。
いや、さらに研究を重ねればそれ以上の数値を弾き出すかも知れない。
双方のクライアントが我々に要請しているのは核爆弾を搭載した自家用車に、
街一つを廃墟にし得る破壊力を持つ発電所を造る事。
大袈裟に聞こえるかも知れないが事実である。
なので安全性が不確かな現状では『ケフィア』の一般大衆化は非常に危険すぎる。
彼もその点を懸念しているのだろう。
現在、我が研究所で膨大な実験結果を一手にまとめ上げている彼ならば、
もしかすると私より『ケフィア』の威力を把握しているだろう。

「あなたはどう考えますか?」

更新日7月27日

私は彼の瞳を見つめたまま問い掛けた。
全く返答しないまま質問返しになり誠に恐縮だが、如何せん私にも皆目見当つかない。
ここで他人の意見を取り入れてみるのも一つの選択であろう。
特に全面的に信頼を寄せている彼の意見だ。聞いてみる価値は十二分にある。
彼は数回眼をしばたかせてから低く唸ると、「じゃあ…」と遠慮がちに口を開いたが、

「いや、これは本当に僕個人の主観だからね。あくまでも。」

と注釈を入れた。
誠実な男性だとは思う。だが誠実も度が過ぎると回りくどいだけである。
私は無言の眼差しで続きを促した。

「えぇとね、とりあえずは様子を見るってのはどうだろ?」

急に立ち止まった私の手に引っ張られて彼はその場でたたらを踏んだ。
私が彼の口から聞きたかったのはそんな曖昧な回答ではない。
もっと生産的な言葉が欲しかったのだが。
私は軽い失望感を含んだ眼差しを向けると、彼は慌てて言葉を続けた。

「いやいや!そんな日和見な意見じゃなくて
 そんなに早く答えを出す必要が今は無いんじゃないかな!って…。」

彼は声を裏返させながら口早に答えたが瞳はしっかりと私の両目を捉えている。

「どっちのクライアントも返答期間を指定してないんでしょ?
 それに今後の研究の方向性は学会にも決定権があるはずだ。
 僕達単独の意見では返答出来ないよ。
 それに書類だけの説明で直接クライアントと話をしたわけじゃない。
 だからもう少し段階を踏まえてから今後の見通しを決めてもいいんじゃないかな?」

「しかしだからこそ我々の方向性くらいは確立して然るべきではないでしょうか?」

彼は「そうだね。」と頷きながら私に微笑みすぐに「でも…」と切り返した。

「それほど重要な事だったら尚更、そんな早々に決めない方がいいんじゃないかな?
 醗酵だってそうだろ?ただ醗酵反応を観察するだけじゃなくてその後、
 熟成をさせる事も必要じゃないかな。僕はこの問題がまだ醗酵段階だと思う。
 もう少し時間をかけて熟成するのを待つべきかな、と。」

私は思わず彼の笑顔から目を逸らした。
近視のせいで視野は相変わらず不明だが最近はどうも
彼と長時間見つめ合うのが気恥ずかしくて堪らない。

しかし彼の言い分は実に理にかなっていると思う。
醗酵や熟成の作用を引用しての説明は説得力に満ちていた。
浅はかに結論ばかり求めてしまうのは私の悪い癖である。
私が会得しなければいけないのは慎重に機を見計らってからの行動。
熟慮も必要という事か。私はすっかり感心して納得の意を表す大きな頷きをすると、
彼も嬉しそうに頷きながら言った。

「これから先、僕らか立ち向かわなくちゃいけない問題は山積みだけど、
 まずは目先の事から少しずつ解決していこうよ。
 ケフィア菌の事だってさっぱり進んでないし、来年は大学受験だって控えているし、それに…」

何かを思い出したのかそれまで明るかった彼の表情が急に陰った。
眉間にシワを寄せ思い詰めた顔で彼はこう呟いた。

「…今日は君を母さんに紹介しなくちゃいけないからね。」

そう言うと彼は暗い顔を俯かせ深々とした溜め息を吐いた。
これで溜め息をつくのは今日で三度目である。
いつになく早いペースなのでもしかすると今日は新記録の1日47回を更新するかもしれない。
スポンサーサイト
23:54  |  「ヨーグルト…。…いいえ、ケフィアです!」  |  CM(15)  |  EDIT   このページの上へ

Comment

今回は素子ちゃんの視点なんですね。外からだと感情を読みにくい彼女が何を考えているのか、続きがとても楽しみです。
女性の視点で文章を書くというのはとても難しいですが、お互い楽しみつつ頑張りましょう!
四葉dort | 2008年07月20日(日) 11:07 | URL | コメント編集

今回は素子ちゃんが主役ですかw
彼女のわかりにくい内面が知れるのは、
読者の特権ですね。
彼女の視点は大変だと思うのですが、
頑張って下さいw応援ポチ♪
momokazura | 2008年07月20日(日) 14:47 | URL | コメント編集

新章始まってますねっ!
素子視点ってのは斬新(違うか?)ですねぇ~
このシリーズも4作目というのにwktkが止まりませんw
やはり惹き付ける何かを感じますね。
いいえ、名無しです | 2008年07月20日(日) 16:30 | URL | コメント編集

名前入れ忘れてました
キイト | 2008年07月20日(日) 16:33 | URL | コメント編集

長門
八頭身派 | 2008年07月22日(火) 02:00 | URL | コメント編集

>>四葉dortさん
女性の視点って難しいですね!
なので少女マンガを読んで乙女心の勉強中です。

>>momokazuraさん
素子視点だとどうしても理屈っぽくて説明口調な
文章になってしまうんです。
これを上手く解消しないと!

>>キイトさん
そう言って頂けると本当に嬉しいです♪
頑張り概があるってものですよ。

>>八頭身派さん
オレの嫁
要人(かなめびと) | 2008年07月22日(火) 06:54 | URL | コメント編集

やっぱりというかなんというか、素子ちゃんって天然なんですね。お洒落した素子ちゃん見てみたいです。彼の服のセンスに期待です。
それにしても、素子ちゃんと彼が手をつなぐのにちょっと嫉妬してしまうのは僕だけでしょうか?
四葉dort | 2008年07月22日(火) 07:53 | URL | コメント編集

>>四葉dortさん
天然なのはお父様の遺伝です。
嫉妬なんて・・・。一応、彼氏なんですし。
要人(かなめびと) | 2008年07月22日(火) 09:22 | URL | コメント編集

もはやどうでもいい。倦怠期?ww
ロボットのような感情が育つのは楽しみですッ
蒼響黎夜 | 2008年07月22日(火) 22:10 | URL | コメント編集

素子ちゃん、外出着ジャージだったんですね…
ジャージに白衣、ある意味斬新です。
でもやっぱり世間一般とはズレてますね^^;
彼の頑張りどころです。応援ポチ♪
momokazura | 2008年07月23日(水) 03:23 | URL | コメント編集

>>蒼響黎夜さん
題名は毎回結構適当だったりします。
だから後で泣くことになるんですよ。

>>momokazuraさん
ごくせんとかもジャージだからいいかな、と思いまして。
応援ありがとうございます。
要人(かなめびと) | 2008年07月23日(水) 04:45 | URL | コメント編集

理解出来ないほどの知識量が個性な
キャラクターの視点で章を丸々書けるのはすごいですね。

でも天然でかわいいですw
やっと自分も更新ペースに追いついたので、
これからはwktkタイムですねww
雲男 | 2008年07月24日(木) 01:27 | URL | コメント編集

>>雪男さん
いやね、素子視点って結構大変です><
一応最後まで続けていきますけど、やばそう。
頑張ります!
要人(かなめびと) | 2008年07月24日(木) 06:27 | URL | コメント編集

僕ママとの面談ww
なんとなく修羅場な予感w
キイト | 2008年07月27日(日) 21:50 | URL | コメント編集

>>キイトさん
もちろん修羅場ですwwwwwwwwww
要人(かなめびと) | 2008年07月28日(月) 05:54 | URL | コメント編集

コメントを投稿する


 管理者だけに表示  (非公開コメント投稿可能)

このページの上へ

 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。